医薬分業

日本では、古くから医師が診察を行い、お薬も取り扱ってきた歴史があります。
しかし、医療の高度化や複雑化、さらには専門性の追求により、医師は診療だけに集中することが求められるようになりました。
そこで、医師は診療のみを行い、お薬は薬剤師に任せるという「医薬分業」という考え方が進められ、ここ30年ほどで急速に進展し、2024年2月の医薬分業率は全国平均で約82%、大分県では約81%になりました。
電子処方箋

2023年1月から始まった「電子処方箋」は、医師が発行する処方箋を電子化したもので、政府が進める医療DX政策のひとつです。
処方データがデジタル化され、医師、薬剤師、患者間でお薬の情報をリアルタイムに共有し、医療の質向上につなげようとするものです。
患者さんの複数にまたがる医療機関・薬局での過去のお薬の情報が、国が運営する「電子処方箋管理サービス」で一元管理されるため、医師・薬剤師はそれらの情報に基づいた診察・処方・調剤を行うことができ、薬の重複投与防止や相互作用の確認など、より安心・安全な医療につながります。
これにより患者さんは、よりスムーズで安全に薬物治療を受けることができることとなります。また、オンライン診療・オンライン服薬指導を利用すると全てがオンラインで完結できることになります。
医薬分業を上手に利用するコツ
調剤してもらう薬局では、お薬のことなど薬剤師に何でも気軽に質問し、相談しましょう。
- 1日3回の服用の指示だったけど、飲み忘れたらどうしたらいい?
- 妊娠中にお薬を飲んでも大丈夫?
- 授乳中は、飲まない方がいいお薬があるって聞いたんだけど?
- 薬局で買った一般用医薬品や食物との飲み合わせは?
- 牛乳やコーラと一緒に飲んでもいい?
- 薬が飲みにくいと、おじいちゃんが言っているんだけど?
薬局の薬剤師は、患者さんから聞いたことを他の人に話すことは、法律で厳しく禁じられています。安心して相談しましょう。
薬局では、患者さんが使用したお薬の名前や時期、お薬のアレルギーのことなどを、患者さんごとに記録しています。これを「薬剤服用歴」、通称「薬歴」といいます。以前調剤してもらったお薬のことなど、質問してみましょう。
