お薬には様々な種類がありますが使い方で大きく分けると、次の3種類に分けることができます。
このように、様々な剤型と種類の薬があるのは、病気や症状などに合わせて使いやすくしたり、最大の効果を発揮させたりするためです。
01内服剤(内用剤)
口から飲むお薬のことです。
錠剤、カプセル剤、粉薬、シロップ剤などの種類があり、それぞれ胃の中で溶ける時間と、薬が効き始めるまでの時間、薬の効果が続く時間などが違います。
薬を飲むときは、コップ一杯の水もしくは白湯で飲むようにしましょう。
水の量が足りないと喉の粘膜に炎症を起こしたり、潰瘍ができたりすることがあります。
錠剤やカプセル剤は、必ずプラスチックの包装から取り出して飲んでください。
原則、カプセル剤を開けて中の薬を出したり、錠剤をつぶしたりしてはいけません。
薬によっては効果が弱まったり、副作用が出現したりすることがあります。
錠剤やカプセル剤が飲みにくい方は、医師・薬剤師にご相談いただくと、他の剤形に変更してもらえる場合もあります。
02外用剤
疾患部位に直接塗ったり、貼ったり、点眼したり、吸入したりして使うお薬のことです。
消毒薬、目薬、点鼻薬、貼付剤(湿布剤やテープ剤など、貼る薬)、軟膏剤(皮膚に塗る薬)、坐薬などがあります。
いずれのお薬も、お薬に細菌が付着すると症状を悪化させてしまうおそれがありますので、事前に手を良く洗ってから使用しましょう。
03注射剤
腕や肩など体に注射針をさして、皮膚の下や血管内に入れる“液状のお薬”をいいます。
体内に直接入れることができるため、内服剤と比べて効き目が早く、少量の薬で効きます。
ただし、血液中に直接入るため細菌感染しやすいので、注射後は十分な注意が必要です。注意事項は必ず医師にご確認ください。
詳細は、後述の“薬のカタチ”を参考にしてください。
医療用医薬品と一般用医薬品
医療用医薬品
医師の処方箋がなければ使用できないお薬で、作用が強く患者さんそれぞれの病態に応じて処方されます。
一般用医薬品
一般薬、大衆薬ともいわれ、街の薬局・薬店で購入することができ、比較的安全性が高く、多くの方の共通した症状に対応することができます。
薬のカタチ
錠剤
錠剤とは、薬の成分を圧縮するなどして、一定の形に作られたものです。一定量の薬を簡単に飲むことができます。
苦味を抑えたり、1日1回で効くよう工夫したものもあります。
このため、むやみにつぶして服用しないように注意しましょう。
カプセル剤
粉末状や顆粒状のお薬などをカプセルの中に入れたものです。
散剤(粉薬)
粉末状のお薬です。湿気を嫌うので保管に注意しましょう。
顆粒剤
散剤より粒が大きく、においや苦味を抑えたり、溶けやすくするなどの加工が施されものです。
液剤
主成分が沈殿していることがあるためよく振ってから飲みましょう。
お薬を汚染する原因となるので、瓶に直接口をつけてはいけません。
坐剤・膣剤
肛門や膣などに挿入するお薬です。薬を少し手のひらで温めてから薬を取り出し、人差し指を坐剤の底にあて、先のとがった方から肛門や膣内に深く挿入します。
貼り薬
貼り薬には、患部を治療するためのもの(例:湿布薬など)と、全身への作用を目的とするもの(例:狭心症治療薬など)があります。
塗り薬
皮膚などに塗って使います。薬が混ぜ込まれている材質(基剤)の違いにより、軟膏・クリーム・ローションなどがあります。
点眼薬
容器の先に目が触れないようにお薬(目薬)を一滴、滴下した後、まばたきはせず、しばらく眼を閉じます。(※目薬の容器の先を直接目につけてはいけません。)
2種類以上の目薬をさすときは、原則5分以上間隔をあけましょう。
ただし、10分以上あけるなど例外がありますので、医師または薬剤師に確認してください。
吸入剤
主に咳を鎮めたり痰を切ったりするときに用いられるお薬です。
十分に息を吐き出した後、吸入口を口にくわえ、息を吸い込むと同時に噴霧します。
過量を吸入すると副作用を起こしやすくなりますので、指示された回数・量を必ず守りましょう。噴霧する際には容器を振って中のお薬を混ぜてください。
吸入後は原則、うがいをしてください。
噴霧剤エアゾール剤
皮膚に使用するときは、患部より4〜6cm離してスプレーしましょう。
注射剤
直接血中や体内に入るため、口から飲むお薬に比べて効き目が速やかなのが特徴です。
また、入院中や在宅医療などでは、栄養補給を目的とした高カロリー輸液製剤などが点滴として静脈内に使用されます。
その他
お薬にはこの他にも点鼻剤、点耳剤、浣腸剤などさまざまな剤型のものがあります。
お薬によってそれぞれ使い方がちがいますので、医師や薬剤師に使用方法をよく聞いて正しく使いましょう。